みんながなんとなく向き合う湖のような場所
くらすわ
求められたのは屋上に地元の人々やこの場所に来た人たちが集まることの出来るコミュニティスペースをつくることでした。諏訪湖畔に建つこの施設は諏訪湖を眺めるように建っていますし、計画地である屋上からの湖の眺めは最高です。そんなロケーションで湖をずっと眺めていると、ふと、遙か湖の反対側にも誰かいて、こちらを眺めているのではないか?そんな気がしてきました。そう考えると湖ってみんなが向き合っている場所なんだなって思うのです。そこでそんな「みんなが向き合っているんだけど、けっして正対しているわけではなくて何となく気配だけが向き合っている空間」をつくりたいと考え、屋上を凸凹した形の大きなテーブルで満たしました。テーブルでは、あるところではワークショップが行われ、あるところでは展示がされ、あるところでは家族でご飯を食べ、あるところでは昼寝をしていたりします。そしてそのみんなが何となく向き合いお互いの存在を感じながら、それでいて思い思いのことをしている。そんな場になったと思います。また、この屋上に至る階段は、イベントが行われるような大階段とし、階段の蹴上げには、諏訪で取れる草花をアクリルに封入したものを設置しました。この場所に来るとそれらの草花を見ていくうちに何となく屋上に向かっていってしまう。そんなことが起こればいいなと思っています。
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竣工
2010年
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所在地
長野県諏訪市
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事業主
養命酒製造
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建築設計
竹中工務店
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インテリアデザイン
上垣内 泰輔
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スツール制作
GELCHOP
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業務内容
ランドスケープデザイン
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受賞
2011年GOOD DESIGN賞
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担当デザイナー